すぐれた吸放湿性・断熱性・保温性
い草を主原料とする畳には、室内の空気が乾燥しているときは持っていた水分を放出し、反対にジメジメするときは湿度を吸収して、室内の湿気をコントロールする働きがあります。フローリングの部屋でストーブをたくと窓は水滴で結露し、ストーブを消すと部屋の温度は一気に下がります。一方、畳を敷いた部屋は結露しにくく、ストーブを消しても温度の変化はゆるやか。これは畳の持つ湿度・温度調節機能による現象です。い草にある灯芯(とうしん)と呼ばれる多孔性の芯が、湿度や温度を吸収・放出して、人に居心地の良い空間をつくってくれているのです。
「呼吸する床」い草を使った畳は、高温多湿な日本の気候にぴったりの床材。こんなにすごいものを1300年も前につくった日本人って、すごいと思いませんか?
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空気浄化作用のチカラ
い草にはシックハウス症候群のもととなる、ホルムアルデヒドをはじめ、空気中の二酸化窒素を浄化して、空気を綺麗にする力もあります。世界基準値0.08ppmをはるかに超える0.11ppmのホルムアルデヒドを、6帖の洋間に散布して2帖の畳を敷いた場合、60
分後には基準値に、120分後には0.05ppmまで空気を浄化した実験結果もあります。こうした浄化作用は和紙やさらしなどにも知られていますが、その力がずば抜けて高いのがい草です。
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防音性、弾力性、リラックス効果など
畳はフローリングにくらべてやわらかいため、転んで怪我をしにくいという弾力性があります。弾力性は簡単には壊れない耐久性を兼ね備え、音を吸収する防音性にも優れています。さらに脳を刺激してリラックス効果をもたす芳香性も近年の研究で認められ、その魅力は数えきれません。
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集中力が持続する効果
い草を使った畳の部屋では、子供の集中力が持続し、学習効果が上がるという調査結果が得られました。ご存じでしたか?
フローリングの部屋と畳を敷いた部屋では、子供の集中力に違いがあるのです。
畳表に使われているい草の香りには精神を安定させる効果があります。
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(畳を敷いた教室で、計算問題を解く実験に参加している子どもたち)
【提供:北九州市立大学・森田研究室】 |
世界広しといえども、畳を身近な暮らしに取り入れている民族は私たち日本人くらいです。普段フローリングの部屋に暮らしていても、畳の部屋に入ると、心がホッとしてつい寝転びたくなってしまうでしょう。それは長い年月を畳の上で過ごしてきた、私たちの身体が知っている自然な感情だと思うのです。
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